逃げられるものならお好きにどうぞ。
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二時間ほどのアクション映画を観て劇場から出れば、澄んでいた青空は茜色に染まっていた。
最近、一気に陽が落ちるのが早くなってきたように感じる。
今は十月で暦の上では秋だけど、あっという間に寒くなって冬が訪れるんだろうなぁと、ぼんやり考える。
私だけかもしれないけれど、歳をとるにつれて、特に何もしていないのに、ただただ年齢だけが上乗せされていくような感覚ばかり覚えてしまう。
なんてことを職場の同僚である三奈に話したら、「そんなの男がいないからに決まってんでしょ! 百合子も早く彼氏作りなさいよ!」と力説されてしまったのは、記憶に新しい。
「それじゃあ俺、これからバイトだから。今日はここで」
これからバイトだという黒瀬くんの勤務先が、彼と初めて出会ったバーだということは、この前二人で出掛けた時に教えてもらったことだ。