逃げられるものならお好きにどうぞ。

寂しい心臓は誰のもの



「百合子先輩、大丈夫ですか?」



昼休憩の時間。

三奈にランチに行こうと誘われたけど、それを断って社内の休憩スペースで一人ぼんやりしていたら、佐々木ちゃんに声を掛けられた。



「え? 大丈夫だけど……どうかした?」

「だって、百合子先輩、最近元気ないですよね?」

「……私、そんなに顔に出ちゃってたかな」



だとしたら申し訳なく思う。最近は色々と考え過ぎて、ボーッとしてしまうことも多かったし……これで仕事でミスなんかして迷惑をかけてしまったら大変だ。気をつけないと。



「さっきだって、ため息漏らしてましたし……あの、私なんかじゃ頼りにならないかもしれないですけど、でも出来ることがあったら何でもしますから! 言ってくださいね! 百合子先輩にはいつもたくさん助けられてるので、私も何か力になりたいんです!」

「佐々木ちゃん……」

「あ、そうだ! お疲れなら、今夜飲みに行きませんか? 今回は私が奢らせていただきますので!」



佐々木ちゃんは、握った拳を自身の胸にトンッと押し当てて、ニコリと笑う。

そんな仕草が可愛くて、思わず笑みがこぼれる。

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