逃げられるものならお好きにどうぞ。
「ふふ、ありがとう。でもごめんね、今日は予定があるんだ」
「そうなんですか。残念です……」
「でも、誘ってもらえて嬉しいよ。また今度、付き合ってくれる?」
「っ、はい、もちろんです!」
眩しい笑みを広げて頷いてくれた佐々木ちゃんの顔が、一瞬、憂美さんの姿と重なる。
性格や雰囲気は全然違うけど、こうして改めて見ると、顔立ちなんかはすごく似ていると感じる。……本当に、姉妹なんだな。
「ねぇ、佐々木ちゃん」
「はい、何ですか?」
「佐々木ちゃんってさ……、ううん、ごめんね。やっぱり何でもないや」
「えー、何ですか? そこまで言ったら、教えてくださいよ!」
「……今度の会議で使う書類、もう作った? って聞こうと思ったの」
「えっ、そんなのありましたっけ!?」
「ふふ、そんなのないよ。冗談です」
「っ、もう! 百合子先輩~! びっくりしたじゃないですか!」
「あはは、ごめんね」
表情をコロコロ変える佐々木ちゃんを見ていたら、自然と笑みがこぼれてしまう。
優しくて頼もしい後輩を持てて、私は幸せ者だ。
佐々木ちゃんと出会えてよかったと心から思っているし、佐々木ちゃんにはこれからもずっと笑顔でいてほしいと思う。