Fahrenheit -華氏- Ⅲ
え…?
「え?」思わず自分を指さし
「気付かないの?瑞野さんが好きなのはあんたなのよ啓人」
え!?やっぱそーなの!?
てか女の勘すげぇな。俺は途中までちっとも気付かなかったのに…
「だから柏木さんが不利になるような胡散臭い稟議を二村くんに横流しした。二村くんがそれをネタにあんたを強請る、そう踏んだ瑞野さんは、結局柏木さんと別れて、晴れて(?)フリー」
ま、まぁその説も一瞬考えたが
「なぁんかなぁ…違う気がするんだよなぁ」
「気がするってだけでしょ!」
「いやー…俺も啓人に賛同だわ。何となく分かるんだよねー…あ、この女俺に気がある?みたいな。ま、ほとんど勘だけどね」
「裕二…」
俺は裕二と手を取って目をうるうる。
流石(元)遊び人だけある!俺の気持ちを分かってくれるヤツはお前しかない!
「俺は全く気付かない」
桐島、お前の意見は聞いていない。のほほんとしてるから女子につけいれられるんだ。まぁつけいられてもそれすら気付いていなから、それはそれは素でスルーできるこいつが凄いっちゃ凄いケド。
「って、何かズレてる!」
綾子が俺と裕二の間をベリっと引きはがし、
「で?二村くんの本命はどっち?やっぱ瑞野さんなの?」
「そんなの知らねーよ」
わぁわぁ喚いているだけでちっとも話が進まん。
「まぁ落ち着いてよ、三人とも。
そもそも二村くんは何で啓人と柏木さんを引きはがしたかったわけ?緑川さんに近づくなって言う理由もよく分からないんだけど」
桐島が俺たちの間に入り、今更ながら
こいつが居てくれて良かったかも、と思ったり。