Fahrenheit -華氏- Ⅲ
俺の叫び声を聞いた三人が目を丸めて
「「「マジ!?」」」
と聞いてきた。
これには流石に桐島もビビったみたいだ。
桐島が…怯んだ…?
なんて、桐島のこたぁどーでもいい。
「マジで。ちょーーーーっと事情があって
村木と村木の娘と修羅場対決場に居合わせて、村木が言ったからな。
娘は売れない画家と結婚したがってるが、村木はそれを許さない、と。俺との見合いをさせようとしてたの!」
やけっぱちになって言うと
「あの村木が…?」裕二が疑わし気に俺を見てくる。「あいつ、お前のこと嫌ってなかったっけ?」
「俺だってあいつのこと嫌いだし、あいつだって俺のこと目の上のたんこぶだと思ってるに違いないって思ってたけど、
そもそもそこんとこが違ったって言うか―――あれだな、偏見て言うか先入観って言うか…
あいつのこと、知れば知る程、それ程悪いヤツじゃなかったって」
(紫利さんとの関係も黙っててくれたしな)ボソっと呟くと
「あー、あんたが手を出した人妻ね」綾子が呆れたように吐息。
き、聞かれてた!慌てて口を覆ったも時すでに遅し。
「人妻!?何だ、そのオイシイ、シチュエーションは!」と何故か裕二が食いついてくる。「確かに?人妻だったら最高だよな。変に付き合って?とか結婚して?とか言ってこねーしな」
裕二……隣から綾子の視線だけで人が殺されそうな視線が突き刺さってるが…
「美人だったのか!?」
「美人?」
裕二&桐島に聞かれ、俺はぎこちなく頷いた。
てか桐島、お前も男だな。
「美人よ。銀座のクラブの元ホステス」綾子がブスリと答える。何故綾子が知ってるかって?それは『Addict -中毒-』を見てくれ。(←もう殆どテキトーで申し訳ございません(;´Д`)
その紫利さんに昨日喝をいれてもらたかったから―――今こうして三人に協力を願い出てるワケだが。
「村木は派閥がひっくり返ろうとしてること、知らねぇんだよ。俺があいつの娘とくっついたら、ひっくり返った後どうなるか、いくら鈍感でも気付くだろ」
「と言うことは、村木次長は…いや今は部長?」と桐島は首を捻る。
どっちでもいーよ、肩書なんて。
「村木さんでいいや」
あ、あっさり収めた。
「問題は二村がどうやって緑川副社長に取り入ったか、だ。娘と交際している、と言うだけで動くとは思えない。何か……何かあいつにとって切り札があったい違いない」