Fahrenheit -華氏- Ⅲ
カチっ
あたしは近くに置いてあったライターでタバコに火を灯し、深々と息を吸い、煙を吐いた。
テーブルに置いたスマホはスピーカー機能にして、タバコを吹かせながら、緑川さんが送ってくれたURLを開く。
『今まで何とかくぐり抜けてきたけど、いつまでも土壇場でのアドリブって空汰には効かなくなるよ?』
「まぁそうでしょうね、“お付き合いの長い”お二人の関係なら」たっぷりと嫌味を含めて言った。
『だったらそれなりに大事な“アリバイ”を―――』
「でしたらこの間行った東京駅の居酒屋でずっと飲んでいた、と言うことにするのはどうですか?お互い知らない場所ではないし、何か突っ込まれても答えられるでしょう。その後のことは後々考えましょう」
『まぁ?そうだけど…?』
葵さんの言葉を聞き流しながら、緑川さんが送ってくれたURLを開くと
その場所は――――
思わず目を開いていると
PiPiPiPi…!
オンライン回線でリモートになった。
「すみません、電話が来たので私はこれで失礼します」
ホスト(この場合クラウドコンピューティングを使用したWeb会議サービスで、パソコンやスマートフォンを使って、ミーティングをオンラインで開催するために開発されたツールで招待する側のことを言います。因みに招待された側はゲスト)の
心音から
で、あたしは即座にスマホを切るとPCのテレビ電話に切り替えた。