Fahrenheit -華氏- Ⅲ

「ゲっ!」


女の子たちの中で声があがり


「やっば、聞かれたよね今の」


「いいんじゃない?あのひと噂話とか気にし無さそうじゃん?」


「そうそ、いかにもお高く留まってるって感じ。『あなたたちと一緒にしないで』とかさっきも顔に書いてあった~」


「ホント、腹たつ~、何様って感じ?」


「あ、女王さま気取り?」


キャハハと女子たちの悪意のある言葉が俺の耳を通して脳を、胸を―――激しく刺激した。


握った拳に血管が浮かび上がるのが分かる。


体内で血が沸騰しそうだ。


吸いかけのタバコが三分の一になり、俺は灰皿にぎゅっとそれを押し付けると





「柏木さんは女王様でもないし、彼女が君らに何かした?」




低く言って女たちを……睨んだつもりはないが、きっとそう見えたに違いない。俺の言葉に女たちが怯んだ。


びくりと肩を震わせる。


「いえ…な、何かされたってわけじゃ…」と言い訳をしたものの


「柏木補佐を庇うってことはやっぱり本命は柏木補佐なんですか?」と、立て直しも早くすぐに目を吊り上げる。





「庇う庇わないって問題じゃない。


そもそもここは学校じゃなく会社だ。


君たちも、ひとの悪口言うならば、せめて彼女ぐらい仕事したらどうだ」




これじゃ女性蔑視だのセクハラだのパワハラだの喚かれそうだったが、意に反して彼女たちは


「酷っ……!そんなつもりで言ったわけじゃないのに」と泣きだした。


ぅわー!やっちまった!!!


てか、これってやっぱパワハラ??

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