Fahrenheit -華氏- Ⅲ
何で…
何でこーなる!
ひっくひっくと泣く女社員たちにどう接すればいいのか分からず
「ごめん、言い過ぎた。別に君たちのことどうこう言ってるわけじゃないよ」と必死に取り繕うにも
「じゃぁあたしたちにもまだ脈はありますか?」潤んだ目で見つめられて
どーしてそーなる!
俺は仕事のこと指摘しただけなのにっ!
シロアリ緑川が100匹だな。
対処できん!
あたふたしていると
コンコン…
喫煙ルームをノックする音が聞こえ、またまた天の助け!と思い顔を輝かすも
んげ!
俺はまたも後ずさりしたくなった。
天の助けだと思ったが、それは陰険村木で―――
相変わらず不健康そうな顔色に、不機嫌と言う要素をプラスした表情を浮かべいて
「失礼、神流部長。物流管理関係で合同の会議があるので呼びにきました」
合同の会議??んな予定あったっけ?
と首を傾げるも
「早くしてくれませんか、こっちも時間が押してるんですよ」とわざとらしく腕時計をトントン指で叩かれ
「ごめん、俺これから会議だから」と
とりあえずの口実ができた。村木のおかげ(?)でようやく女子たちの攻撃から逃れることができた。
「相変わらずおモテのようで」と喫煙ルームを出てからも、今度は嫌味ったらしい村木の攻撃にあう。
「アレをモテてるって言うんなら変わってあげたいぐらいっすよ」と村木を睨むと、村木は俺の睨みにも嫌味にも動じず、小さな会議室を顎でしゃくる。
「今、二村は外回り中です。あと1時間は帰ってこない予定なので」
と不機嫌そうに言い、俺は小さくため息をつきながらも村木についていった。