Fahrenheit -華氏- Ⅲ
『それで……母は言うことを聞かないので…と言うか一度言い出したらなかなか頑固な所があって、18日の金曜日、夕食いかがですか…』
控えめに聞かれ
18日……
その日に何か引っかかりがあったが、スケジュール帳を見ても何も予定が書きこんでない。
「……うん、分かった」俺は結局承諾することに。
「あ、あと、”こっち”に掛けられるとちょっとびっくりするから俺のプライベート用のナンバーに掛けてくれる?登録しておくから」
と提案すると
『え?いいんですか…?』と瑞野さんの控えめな声がまたも返ってきた。
俺を除く三人はまたぞろ顔を見合わせ、ちょっと苦い顔を作る。
俺も三人を眺めながら苦笑いを作り
「うん」と頷きプライベート用の11桁のナンバーを伝えた。
伝え終えて何とか通話を切ることができた。
「いいんかよ。お前、プライベート用の電話の女のナンバー全部消したんだろ?」と裕二が眉を下げる。
何で相手が女だと分かった。流石元遊び人のセンサーか??
「真咲に教えた時点で、アウトだろ」
思わずため息を吐くと
「「「マサキ??」」」
と三人の声が揃った。
しまった!真咲のことこの三人には話してなかったんだ…
今更説明するのもどうかと思ったが、「「「誰??」」」とまたも三人が興味津々で聞いてきて、答えざるを得なかった。
俺はかくかくしかじか、真咲との過去、真咲と別れる原因、そして真咲がまた現れたこと、脅迫されてたことを包み隠さず話した。