Fahrenheit -華氏- Ⅲ

―――三日後


20XX年、11月17日


『本日のニュースをお伝えします。今月14日から発生した大型台風15号はフィリンピン沖から北上し、本列島に急接近中。昨日は九州を中心とする西日本に勢力を落とさず接近し、多大な被害を被りましたが、そのまま北上して、本日は東海から関東に接近する見込み。

記録的な大雨、暴風、高波、高潮になる可能性があり気象庁では最大級の警戒を呼び掛けています』


今朝のニュースを見ながら俺はネクタイを締めていた。


台風か……昨日の情報だと大阪辺りが酷かったみたいだな。今日はこっちにも来るのか…


とぼんやりと思いながらも、俺は別の事を考えていた。


それこそ台風並みの勢力で押し迫ってくる問題だ。


二村の計画は着々と進んでいる。


あの後、二人が病院に行ったのか、またその結果がどうであったのか分からない。


二人の会話を聞いただけで、単なる俺の思い過ごしだといいが。


でも「病院」と聞いてあんなに喜んでいる二村を思い出すとやはり「おめでた」が想像される。


しかし、今の俺にはどうすることもできない。


まさか緑川に「堕ろせ」なんて言えないし。


二村の陰謀を知っていても人間的に「どうなの?」て感じだしな。


もやもやしながらも出勤の為車を走らせていると、台風の影響なのか暴風がすでに吹き荒れていた。あちこちで紅葉を終えた枯れ葉が舞っていて窓のリアガラスにくっついている。


雨はまだ降っていないが、空をちらりと見上げると今すぐにでも降ってきそうな薄暗くて分厚い雲が空を覆っていた。


まるで俺の心のようだ。


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