Fahrenheit -華氏- Ⅲ

スコッチの入ったグラスを手に窓に近づいた。相変わらず東京の街は電力を失いつつあるけれどあたしのマンションのように自家発電が作動していると所も随処あるみたいで少しずつ電力が復活したみたいで、少しずつだけれど光が戻ってきた。


一つ、一つ電気が灯っていく。


相変わらず風や雷の音は止まないけれど。


『ニュースで見たわ。そっちは台風が大変みたいね』


あたしの部屋に響く風や雷の音を拾ったのだろう、心音が聞いてきて


「大丈夫よ。すぐに自家発電に変わって、こっちは不便してないわ、心配ありがと』


『そ。良かったわ。ちょっと心配してたけど、大丈夫そうね』


「これからお風呂入って、ゆっくりするわ」


『何せ明日は決行の日だものね、ゆっくり休んで』


「ありがと」


短く返事をして、『じゃぁ明日、頑張って。と言うのはおかしいけど、決行すると分かってたらワクワクする♪』


心音らしい。


「じゃぁ明日よろしくね」


短く言ってリモートは切れた。


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