Fahrenheit -華氏- Ⅲ
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その晩、夢を見た。
初めてジェイクと会ったその日の夢。
あれは確か……あたしが18歳。まだNYの大学に在籍中にFahrenheitを立ち上げたばかりの頃。マックスと出会う前の話だ。
「Hey! there, little girl.(そこのお嬢さん)」
次の講義の為広いキャンパス内を移動中、中庭で気軽に声を掛けられた。最初はあたしが呼ばれてることに気づかなかった。
そのまま素通りしようかと思ったが、背の高い影があたしをすっぽりと包む気配があってLittle girl.(お嬢さん)と言うのがあたしだと言うことをようやく認識した。
きれいなプラチナブロンドが陽の光でキラキラと光っていて、まるで宝石のような淡いブルーが印象的なハンサム。けれどこんなハンサムに知人はいない。
ジャケットは着ているものの中はカジュアルな白いカットソーだったし、どこかうさん臭さもある。
「You asked for me? Can I help you?(何か…)」と、若干警戒心を浮かべて顔を上げると
「I have a good financing story for you.I heard through the grapevine that you just launched your own company.(君にとって良い融資話があるんだ。聞けば会社を立ち上げたばかりだと)」
と彼はにこやかに言って、名刺を差し出してきた。それがContradiction.Coだった。
Contradiction.Co(通称CC)は当時のあたしでも耳にして知っていた。
こんな大手の?けれど随分若い社員だと思っていたら、創始者の息子だったと知ったのは、もっと先のこと。