Fahrenheit -華氏- Ⅲ

鬱陶しいハエを払う仕草で眉間に皺を寄せると


「I'm a graduate of this university, so I get a lot of information. I am not shady.(俺は大学(ここ)のOBだから、色々情報が入ってくるんだ。決して怪しいものではない)」


OB…


なるほど。


「Yes, You look suspicious enough. I refuse to talk about investment.(いえ、十分怪しいです、投資のお話はお断りします)」とそっけなく言うと、彼は軽く肩をすくめた。


「Talking about investments doesn't hang with you? Well, I'll tell you straight.(投資話が餌でも乗ってこないか、ま、ストレートに言うよ)Would you like to join me for a cup of coffee?(コーヒー一杯付き合ってくれない?)」と彼はキャンパス内にあるキッチンカ―を目配せ。


コーヒー……?


更にうさん臭さが増して、しかし


「Let's go.(行こう)」とほぼ強引にキッチンカ―に連れていかれた。


何なの!


結局、彼に言われるままキッチンカ―でコーヒーを買い、その日は本当にそれ以上のことをするつもりもないのか一杯飲み終わるまで、彼はくだらない世間話をして帰っていった。


しかし、それだけでは終わらなかった。


彼は次の日も、次の日も、まるでストーカーのように大学の構内に現れた。


「I can't tell you how many times I've said it, but I'm not going to change my mind.We decline to discuss financing.(何度言ってもあたしの考えは変わらないわ。融資話はお断りよ)」と言うと


「I've only approached you once about investing. And I've never approached you about it since then, have I?(俺が融資話を持ち掛けたのは一回こっきりだ、それ以降君にその話を持ち掛けたことがないだろう?)」


確かに……


けれど、だったら何が目的?



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