Fahrenheit -華氏- Ⅲ
急いで身支度していると、後ろから抱きすくめられた。
「I had a great time yesterday, thanks.But I don't want to be your playmate.(昨日は楽しかった、ありがとう。でもあなたの遊び相手になる気はないの)」とつっけんどんに言うと
「I'm not looking for a playmate.Yesterday it just went that way, but I can arrange a different situation if you like.(遊び相手を求めてるわけじゃない。昨日はただああゆう流れになったが、お好みなら違うシチュエーションを用意するよ)」と低音の声で耳元で囁き、あたしの耳にそっとキス。
「I can’t believe it.(信じられないわ)」あたしがその手を跳ねのけると、ジェイクは急に寂しそうに眉を寄せた。
「I'm sorry.I would be lying if I said I really didn't intend to .......(悪かった。本当にそのつもりはなかった……と言ったら嘘になるかな。俺は君とそうなりたかったから)」
………
「正直な人…」思わず口に出ると
「What?(何?)」ジェイクは目をまばたいた。
「It’s nothing,Then I'll give you a second chance.(いえ、何でも。じゃぁ二回目のチャンスをあげる)」
そうしてあたしたちは二回目のデートもすることになった。
ジェイクはなかなか情熱的だった。次のデートのときは花束をもらったし、二回目、過ごす夜はNYでも高級なスイートルームを取ってくれたし、高級外車でのドライブデートはスマート過ぎる程のエスコート。
勿論、あたしが心配していた金銭トラブルもなく。
これを”心焦がれる”と言うのか、あたしは考えたが、しかしそうでもなかった。
何かが、足りない。
その何かは何?と聞かれたら分からない。
まるで絵にかいたような二人の関係だが、あたしが大好きな恋愛映画や小説のように心躍ることはなかった。
それに気づいたのは、ジェイクが先だった。