Fahrenheit -華氏- Ⅲ
「イ…」
ケメンじゃねーーーーーか!!!!
パツキンに青い目。年齢は二十代後半と言ったところか、マックスとは違った色気がある。
ビシッと着こなしたスリムなスーツがこれまたよく似合う。
『イケメン…?』と神来社支社長の不審そうな声が聞こえてきて、俺は慌てて咳払い。
いや、この場合顔の造形は関係ない。
「失礼、僕の発言は気にしないでください」
俺はそのCEO……名をJake Daris…ジェイク・ダリス……益々聞き覚えがない。経歴を見ていくと大学を卒業後、父親の立ち上げたファンド会社をそのまま引き継いだようだ。目立った経歴はないが最終学歴的の所に
(出身大学:ニューヨーク大学)となっていて、
あれ??ニューヨーク大学って言やぁ瑠華と同じ出身校?
いや、現在29歳のジェイクと瑠華は在学履歴が被っていない。瑠華は飛び級した、と言っていたし。
たまたま、偶然―――?
偶然
で、あって欲しい、と言うのが本音だ。もし、瑠華がジェイク・ダリスとコンタクトを図ったのなら、その意図は明白。
35%と言う数字も頷けるが。
一歩間違えればインサイダー取引だ。
それに―――もし35%ととは言え株を買い占める案があったのならもっと早く仕掛けていたに違いない。
何故今になって―――?
『月曜日、本社に役員の殆どが緊急招集されます。私も呼ばれた一人。株の保有者であるあなたもきっと会議に参加するよう言われる筈です』
株の保有者―――って言っても僅かばかりだが。親父が会長になったとき、俺名義の株を何パーセントか用意してくれていた。
そんな大事なこと、親父は何で実の息子に最初に言わねぇんだよ!!(怒)
まぁ俺が出張ったところで大して役に立たねぇと踏んでるんだろうが…(泣)
と、怒ったり悲しんだりで忙しい俺は感情よりもその急展開の方についていけない。