Fahrenheit -華氏- Ⅲ

「あ、私たち人事部人事二課なんですが…あの、毎年恒例の1月の新年会の余興のくじ引きお願いしたくて」


あー、新年会かぁ。


年明けのこととは言え、日にちが経つのは早いなぁ。


てかイマドキ新年会とか古くね??


毎年、親父(会長)の長ったらしい挨拶があり、社員がやる大して面白みもない余興を見せられ、料理だけはそこそこ美味しいが、それだけの楽しみのクソつまんねー行事。


瑠華だってイヤだろ、そんな行事に参加させられるの。そもそもNYではそんなことしなかったろうし。


てかさっきも言ったケドこのご時世、イマドキ古いっつうの。


まぁ、それでも中には楽しみにしてる連中(主に中年、しかも男社員)もいるから、誰かが反対意見を出しても賛成意見が上回ってるだろうから毎年開催されるんだろうが。


「新年会ってどこでやるんですか」と瑠華が佐々木に聞いていて


「毎年決まってるんですよ、マルーナホテルって大きなホテルの宴会場って言うのか、結婚式の披露宴にも使ってるところみたいです」と佐々木が答える。


「料理”だけ”は旨いからそこだけ期待しておけばいいよ」と、ため息交じりに言うと


「まぁまぁそんなこと仰らず、くじ引いてもらえませんか?」と余興のくじが入っている箱をズイと女子社員に突き出される。


女子社員だってきっとこんな役回り早く終わらせたいに違いない。顔に苦笑が浮かんでいる。


入社して五年だが、五年とも幸いにも所謂”ハズレ”を引いたことのない俺。


今回も大丈夫だろ。


と言う思いで軽~く引いてみた。


瑠華も佐々木も箱の中に手を突っ込み、四角く折られた小さな紙(くじ)をひいた。


三人一斉に開いて



「「あ、”アタリ”って書いてある」」



俺と瑠華、二人の声が揃い


ん!?


『アタリ』ってことは、ことはーーーー!!!!


「おめでとうございます!!今回の新年会8Fフロアの余興主催者は神流部長と柏木補佐で~す♪」


はぁぁあああああ!!!!?



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