Fahrenheit -華氏- Ⅲ
でも、なるほど。ジェイクは嫡子ではなかった―――と言うのは初めての情報だ。
彼がこだわっていたのは、もしかしてお金じゃないかもしれない。
「You haven't changed. You are as charming and exciting as ever.(変わってないな、君は相変わらずチャーミングでエキサイティングだ)」
「I’m flattered. (お褒めの言葉をどーも)」とそっけなく言い、ウーロン茶をぐいと煽る。
「I'm relieved to see that you haven't changed in your love of money either.(あなたも変わってないようで安心したわ。お金が大好きなところ)」皮肉を込めて言ってやると、ジェイクは自らとっくりを手に日本酒を自分の猪口に注いだ。
「He was sitting in that most remote place, he's the chairman junior, isn't he? Is he your current boyfriend?(それはそうと、あの一番離れていた場所に座っていた彼は、会長のジュニアだろう?あれが今の君の彼氏かい?)」と予想もしてなかった言葉に一瞬面食らった。
「Didn’t I tell you? I'm free. No boyfriend.(言わなかった?あたしはフリーだって。誰とも付き合ってないわ)」
本当のことだ。
「Oh right, Then I guess that means I still have a chance.(そっか、じゃぁ俺にもまだチャンスがあるということだな)」とジェイクがニヤリと笑い、
「I have no intention of starting over with you. And I don't want anyone to know about my past with you.(やり直す気はない。それにあなたとの過去は誰にも知られたくない)」と言ってやると、ジェイクはHAHAHA!と大きく笑い声をあげ
「Oh I see, In your mind you want to pretend that our relationship never happened. More than Valentine's?(そうか、君の中では無かったことにしたいんだな。ヴァレンタインよりも?)」と聞かれた。
あたしは目を細めてジェイクを睨みつけると
「Yep, Valentine was the worst than you, but he gave me the greatest treasure. For that I thank him.(ええ、そうね。ヴァレンタインはあなたより最低だったけれど、最高の宝物を与えてくれた。それだけは感謝するわ)」
ユーリ
それがあたしにとって最高の宝物。
ユーリが居なかったらジェイクより劣るマックス。
あの男のことは―――今は考えたくない。