Fahrenheit -華氏- Ⅲ

「If you keep being stubborn, you won't get it, will you?
(いつまでも意地を張ってたら手に入らなくなるぞ?)」


「Stubborn?(意地ですって?)


―――何も知らないくせに」


あたしはスカートをきゅっと握った。


「What?(何?)」ジェイクが訝しむ。


「It’s nothing.(いいえ、何でもないわ)」


「Well, now let's talk business rather than love. Depending on your efforts, the share price will still rise in value. If you outperform more than I've invested, let's say I refuse to buy you back.
(まぁ今は恋愛の話よりビジネスの話をしよう。君の頑張り次第では株価はまだまだ値上がるだろう。俺が投資した以上上回ったら、君の買い戻しは断るとしよう)」


「That suggestion, that's helpful.(その提案、助かるわ)」


今度はあたしの方が肩をすくめた。


「By the way, which hotel are you staying at now?
(ところで、今どこのホテルに泊まってるの?)」


会長……おじ様の電話が長引いてるみたい。彼はなかなか戻ってこなかった。ジェイクと話すことなんて今更ない。過去を懐かしむ気も、勿論やり直す気も。だから当たり障りのないことを聞いた。


「Have you heard of the Hotel Maruna? Quite comfortable.(マルーナホテル、って知ってるかい?結構快適だ)」


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