Fahrenheit -華氏- Ⅲ
とにかく、心音には軽蔑されてないようだ。そしてジェイクと手を組んだことに反対もされなかった。
『けど、こっちでもあんま良い噂聞かないわよ。気を付けた方がいいわ』
「そうね、だけど今のところ株の保有数はおじ様……会長が大半だから、他の役員たちとインサイダー取引さえなければ大丈夫だと思う」
『そこのとこどうなの?裏切者が出てくるんじゃない?』
「その心配はないわ。今会社は二大派閥の喧嘩状態。誰かが裏切ったらつるし上げに合うのが目に見えてる」
『大人の喧嘩はネチネチしてていやね~』
「ほんとそう。早く終わらせたいわ。終わったらキッチリ、ジェイクとの縁も切る」
さっきは株価が上がれば買い戻しはしない、とジェイクには言ったが、あれはあの場での嘘だ。きっちり色をつけてこれきりにしたい。
「まぁお金大好き人間だからね、あの男は。マックスより扱いやすい」
軽く肩をすくめて鼻で笑ってやると
『ねぇ、今度紹介して~』
「I'm OK to introduce him to you, but he's not a good kisser or a good fucker.
いいけど、キスとセックスは下手よ?)」
と言ってやると
『Oh……』心音はため息。
「If you still want to give it a try, go ahead, although I'm sure, being you, you'll probably say goodbye overnight.
(それでも試してみたいのならどーぞ、きっとあんたのことだからあんたの方から一晩でサヨナラだろうけど)」
笑ってやると
「逆に気になるわ」と心音は興味津々。
まぁ?この件が終わったら、心音がそこまで言うのなら会わせてあげてもいいけど。でもおススメはできないな。