Fahrenheit -華氏- Ⅲ
色々話し合っているとあっという間に夜も8時になっちまった。
「今日は遅いし、これぐらいにしとくか」俺が提案すると
「私はまだ仕事が残ってますので」と瑠華が自席に戻る。
仕事熱心なのはいいけどね、
「あんま根詰めない方がいいよ、たまには息抜きが必要だし。佐々木、お前はもう帰っていいぞ。悪いな、毎日仕事終わりに付き合わせて」
「いえ、僕暇してるんで、全然大丈夫です。それよりお腹すきません?僕、コンビニで何か買ってきますよ」
「確かに……じゃぁ悪いけどなんか買ってきてくれるか?」俺が財布を取り出し中から5,000円札を取り出すと
「佐々木さん一人じゃ申し訳ないので、私も一緒に」と瑠華が立ち上がった。
「え?いえっ!柏木さんのお仕事邪魔しちゃ悪いし…」
「ちょうど気分転換したかったところです、一緒に行きましょう」
との提案に佐々木はどこか嬉しそうに「はい!」と答えた。
くっそ…!何だかんだ仲が良い二人が羨ましいぜ!
ギリギリと歯ぎしりをしながら二人を見送ると、ちょうど村木から電話が掛かってきた。
村木……?
そう言えば今日瓜生常務と食事に行く日だったな。とふと思い出す。
何か分かった??にしちゃ早い……
「はい神流です」と電話に出ると
挨拶もなにもなしに
『問題発生』と村木の低い声が聞こえてきて、俺の背が知らずに強張った。
「問題て?」
『二村が現れたんですよ、どうしてもって。
私は追い払おうとしたんですが、常務が『一緒に』と言いだして』
は――――?