Fahrenheit -華氏- Ⅲ
どうして心音はこのアカウントを見つけられなかったのだろう。確かに本名ではないし、アカウント名も『みゆぅ』と書かれていた。アイコンも本人ではなく、飼い猫なのだろうか白い猫が写っている。
「これ、瑞野さんの飼い猫ですか?」
「いや?違うと思うけど、だってあの団地ペット禁止だし、どっかの拾い画じゃね?
それにミミちゃんのアカウント鍵付きだからさ~、一般の人見られないようにんってるんだよね~」
なるほど。それで、か。
「ところで鍵付き、と言うのは?」
「一定の人しか見られないってこと。俺はミミちゃんと友達申請して相互フォローしてるから」
相互フォロー…フォローし合っているということなのかしら。
「では葵さんのアカウントで瑞野さんの投稿が見れる、と言うことですか」
「んー、そうだねぇ。でもミミちゃんあんま投稿してないから。あんま有益なものないかもよ?」
葵さんは素直に言ってミミちゃん、こと瑞野さんの投稿を見せてくれたが確かに葵さんが言った通り、道端の花や出会った猫と言った何の変哲もない投稿ばかりだった。フォロワー数が少ないのかイイネもあまり多くない。
猫が好きなのだろうか…
「ほら、言った通りでしょ?」葵さんは苦笑。
「瑞野さんが他のアカウントを持っている可能性はありませんか?」
最近テレビで良く耳にする所謂”裏垢”と言うやつだ。
「俺が知ってる限り、ないな~、大体ミミちゃんがSNS始めたのもここ数年だし。空汰との2ショットとか一切載ってない」
そうか……