Fahrenheit -華氏- Ⅲ
なんて考えていると、瑠華が戻ってきた。
またも俺たちを疑いの目で一瞥すると
「今朝から何を二人でこそこそしているのですか」と流石に疑われた。
「い、いやぁ!だ、ダンスが一向に上達しないし柏木さんスパルタだよな~、って」と『話合わせろよ?』と佐々木を見ると佐々木が慌てて首を縦に振り、しかしすぐに「ぼ、僕はスパルタって言ってませんよ」と慌てる。
「あれぐらいで音を上げてもらっては困ります。本番も迫ってきてますのでこれからはペースをあげていきますよ」
「は、ハイ……」
こ、怖い……
と、まぁこれ以上佐々木に”優里”の情報を聞き出そうとするのも流石に今度は佐々木から疑われそうだし、俺は一旦SNSの件は諦めることにした。
諦める、とは言ったものの一旦気になりだしたもんは早々に忘れられないよな。
もんもんとした気持ちのまま昼休みに入り瑠華と佐々木が休憩に入り、入れ替わりに俺が入る頃には俺の頭の中ではさっきのSNSの件でいっぱいに満たされていた。
ざわざわと煩い(しかもあまりうまくない)社食よりも外でゆっくり考えた方がいい。俺は前に良く瑠華と待ち合わせしていたカフェ、バラキエルに足を向けた。
確か前回は海老とトマトのバゲット風サンドイッチのランチを頼んだが、結構うまかった。今回も同じものを注文して商品を受け取ると
「あ、部長~!」
これまた前回と一緒、シロアリ緑川が窓に沿ったカウンターでカフェオレを飲んでいた。