Fahrenheit -華氏- Ⅲ
「ってーーっ!!」
俺は打たれた頬を撫で涙目になりながらながら紫利さんを見下ろし
「殴ったね!瑠華にもぶられたことないのに!」
と喚くと
「そんな古いネタどーでもいい」
紫利さんが目を吊り上げる。
「そんな!?古い!?ガンダム(※)をバカにするなよ」
(※正式には親父にも殴られたことないのに!ですね♪初代ガンダムのアムロの名台詞♪)
「馬鹿にしてんのはあんたでしょ!」
「心音ちゃんと言い、紫利さんと言い……殴っていいのは瑠華だけだ!まだ殴られたことないけど…」
またもキっと目を吊り上げると
「あんた変態?どM?」と紫利さんが訝しそうに顎を引き、腕を組む。
「変態でどMだよ!悪かったな!」
「あーもぉっ!私の知ってる啓人は変態でもどMでもなかったわ。
そこまで好きなら、突き進みなさいよ!
あんたは出逢った時からどうしようもないガキで、こっちの気持ちも知ろうとしないで、ぐいぐい来て、
欲しいものならどんな手を使う男だった」
紫利さん……
てか随分ひでぇ言われだな!
「でも突き進んでいくうちだんだん男として成長していって、別れるとき最高にかっこよかったわ。
でも今はガキでバカで、どーしようもないクソガキに逆戻り。
いつまで悲劇のヒロインぶってるつもり!?或は正義のヒーロー?
あんた瑠華ちゃんの気持ちを考えたことないの!?」
瑠華の気持ち―――
突き進む……?
そうしたいが、進み方が分からないんだよ、俺は。