Fahrenheit -華氏- Ⅲ

複合ビルの一階は洒落たカフェになっていた。


佐々木さんはカフェオレを、あたしはアイスティーを頼んだ。佐々木さんはさらにパンケーキを注文していて


「ここのパンケーキおいしいらしいですけど、僕一人じゃ入りづらくて…柏木さんと一緒なら不自然じゃないかな…と思いまして」


と恥ずかしそうに笑う。


見るからにふわふわのパンケーは二段でアイスクリームと生クリーム、イチゴやサクランボがオシャレに飾りつけされていてその上にはメイプルシロップが掛けられていた。


「一人じゃ食べきれないのでシェアしませんか?」の申し出にあたしは素直に頷いた。


奥まった席に落ち着くと、佐々木さんはパンケーキをナイフで切り分けてくれた。


それを一口口に含むと上品な甘さとふわふわの食感、アイスクリームのコラボレーションが絶妙。


「おいしい」思わず言葉口についた。


「でしょ~僕も一回した食べたことがないんですが…」と言い慌てて口元に手を置き、以前佐々木さんはこのパンケーキを食べたことを物語っていた。


『一度食べてみたい』と言うのは―――嘘?


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