Fahrenheit -華氏- Ⅲ
タクシーに乗り込み、あたしの六本木のマンションから原宿駅まで15分程で着いた。大した渋滞もなくすんなり来れたことは不幸中の幸い。
マックスの送ってくれたGPSは原宿の街のおもちゃ屋だった。原宿はクリスマスと言う理由からか、それともこれが通常なのだろうか人が多く走るとすぐに人にぶつかってしまう。その度に「すみません」と謝りながら何とか店の前に辿り着き、いかにもファンシーな女の子が好きそうなキャラクターで溢れた店内をキョロキョロしていると
「Mom!」と聞き慣れた声が聞こえてあたしは目を開いた。
白いふわふわのコートに身を包んだユーリがマックスに手を引かれてあたしを指さしている。
「ユーリ!」思わず叫ぶと、ユーリはマックスから手を離しこちらに走って来る。
何で?迷子になった筈じゃ?それとももう見つかった??
「Why……?Didn't you disappear?(どうして……?居なくなったんじゃ?)」とマックスを仰ぎ見ると
「I figured you wouldn’t come unless I did something like this.
(こうでもしないと君が来てくれないと思ってね)」マックスの口元に淡い笑みが浮かぶ。
は――――……