Fahrenheit -華氏- Ⅲ

それでも誘ったのは間違いなく俺だから、言われた通り外から車を持ってこようとすると、言い出した本人桐島が、俺の隣に並ぶ。


「何だよ、外に行く気になったんか?」


「最初から一緒に歩くつもりだったよ?」桐島はコートのポケットに手をつっこみながら爽やかに笑い


「まぁお前が?わざわざあんなメール寄越してきたんだから?ただ事ではないと思った」


「そうよぉ。たった四人の同期でしょ?一番最初から並んで、ずっと一緒に歩いてきた仲じゃない」


お前ら……


「カオスとか言ってごめんな」


俺はしくしくと泣き真似。


「は?カオス?」裕二が顔をしかめ


「いや、何でもない」


―――と言うわけで俺のマンションに行くことになったが、このメンバーだと全員酒を飲むワケで、マンションに帰り途中、近くのスーパーに寄って酒やつまみや惣菜をたんまり買い込んだ。


車の中で綾子がレシートを眺め、


「合計¥8,532?意外と少なかったわね。割り勘にして¥2,800?」と言い出し、


「おうよ」
「はーい」


と裕二と桐島が答えている。


「割り勘だったら勘定合わねぇだろうが、¥2,000弱なのに、お前ぼったくり?」とミラー越しに綾子に苦笑を向けると


「あんたの分は入ってないわよ。三人で割り勘」


「へ?」


「あんたの部屋だから、迷惑料よ」と綾子の提案に、男二人は何も言わず大人しく財布を開けている。


綾子……たまには良いこと言うんだな。


ごめん、いつもオトコ女とか言って。


「悪かったわね、どうせ私は女ぽくないわよ」


「啓人、バカ野郎!綾子ほどイイ女は早々いないからなっ!」


「俺はマリが一番♪」


またまたカオス……?


ギャァギャァ喚きながら、何とかマンションに帰りついたのはすでに20時を回っていた。


俺、すでに疲れてるんですけど(泣)


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