腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~
「だけど願望はあったみたい。今、凄く嬉しいの。ありがとう、尚史さん」
「喜ぶのはまだ早いぞ。今日はこのホテルに泊まるんだからな」
「えっ!? 用意していないよ」
「大丈夫。栞はただ、楽しんでくれるだけでいいから」

 首を傾げると、いきなり腰を掴まれ、宙を舞った。

「今はまだ、これくらいしかできないが、新婚旅行の変わりだ」

 私を隣に下ろしながら、尚史さんが苦笑した。

「すみません! もうよろしいでしょうか」

 少し離れたところから、カメラマンの声が聞こえる。私たちは視線を前の方へと向けると、別のスタッフが近づき、私のドレスを丁寧に、そして綺麗に直してくれた。
 もう、その行為だけで、くすぐったい気分になる。

「本物の新婚旅行に行くためには、もっと頑張んないと、だね」
「あぁ。栞を連れていきたい場所が、まだまだいっぱいあるんだ。だから、これからもよろしくな」
「っ! こちらこそ」

 笑った瞬間、シャッター音が辺りに鳴り響いた。


✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
他サイトで続きを読みたい、とのお声で中編から長編化しました。
いかがでしょうか。少し、私の感情が乗ってしまいました。
昨今はざまぁが流行りで、こちらの作品も、そうすべきだとは思ったんですが、こちらの作品のテーマは『自由』
あえて琴美のその後を書きませんでした。
忘れたがっている栞には、不必要だと思えたからです。
そこら辺は、ご了承願います。
叩きのめすより、逃げることも大事かな、と思いまして(リアルでは特に)
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