真昼の星空
「ヤキモチついでにひとつ聞いてもいい?」

「なに?」

「この部屋も元カレ達来てるよね?」

陽一瞬固まる。

「あ、はぁー…」

頭を抱える。

「ごめん。」

「ほんとに無神経だ私。」

「すっかり忘れてた。」

少し焦る。

「いやだよね。」

「うちで寝るの。」

「ご飯食べたらまさくんち行こう。」

雅人すぐ言う。

「いやいや。」

優しく止める。

「そういう意味じゃない。」

少し真面目に。

「ちゃんと聞いて。」

「しっかりヤキモチ焼いて。」

「乗り越えたい。」

陽少し驚く。

雅人続ける。

「逃げたくない。」

「ようちゃんの過去ごと好きになりたい。」

陽胸が熱くなる。

雅人少し空気変えて聞く。

「で、何番目のやつからこの家?」

陽苦笑い。

「2番目。」

雅人すぐ言う。

「俺の好きなやつね。」

陽笑う。

「合格。」

少し悪そうな顔。

「1番目の激しいやつはここじゃないならいい。」

2人で笑う。

陽小さく言う。

「まさくん優しいね。」

雅人首振る。

「優しくないよ。」

少し照れてる。

「ようちゃんの一番になりたいだけ。」

陽すぐ答える。

「なってるよ。」

雅人止まる。

陽続ける。

「昔から。」

雅人何も言えない。


「全部すてて引っ越そうかな。」

少し本気。

「やめて。」

「え?」

雅人静かに言う。

「捨てなくていい。」

陽黙る。

雅人続ける。

「ようちゃんが頑張って作った場所でしょ。」

「俺のせいで変えなくていい。」

陽少し胸が熱くなる。

雅人優しく言う。

「ここに俺が入れてもらえばいいだけ。」

陽涙が出そうになる。

雅人少し笑う。

「過去の男追い出すの得意だから。」

「全部消す必要ない。」

「これから増やせばいい。」

陽小さく言う。

「…まさくんすごいね。」

雅人首振る。

「普通だよ。」

「好きな人の居場所守りたいだけ。」

「あと、空になったスーツケースにようちゃんのお泊まりに必要なもの入れといてね。」

陽一瞬意味が分からない。

「持って帰るから。」

陽見る。

雅人普通に続ける。

「これでお互いいつでも来て泊まって、そのまま仕事行けるようになる。」

まるで当たり前の未来みたいに言う。

陽目が潤む。

「うん。」

涙目。

「酔いすぎる前にやらなきゃ。」

立ち上がってクローゼット開ける。

Tシャツ。

部屋着。

歯ブラシ。

スキンケア。

一つ一つ入れながら思う。

(こんな日が来るとは思わなかった)

雅人後ろから静かに言う。

「俺はいつ一緒に住み始めてもいいけど。」

陽振り返る。

雅人少し笑う。

「ただ、いつでも会える準備。」

スーツケースに服を詰めながら陽が言う。

「まさくん。」

雅人見る。

「あとでチューしていい?」

言い終わるか終わらないかで、

雅人の唇が重なっていた。

一瞬息が止まる。

陽驚いて笑う。

「あとでって言ったのに。」

雅人少し照れてる。

「我慢できなかった。」

額をくっつける。

「10年我慢したんだから。」

陽笑う。

「またそれ言う。」

雅人真顔。

「本当だから。」

もう一度軽くキス。

陽小さく言う。

「まさくんのキスだ。」

雅人笑う。

「誰のだと思ったの。」

陽少し泣きそうに笑う。

「思い出しただけ。」

静かな部屋。

ワインの匂い。

開いたままのスーツケース。

これから2人の時間が入っていく箱みたいに見える。
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