真昼の星空
一方その頃、雅人に半ば引きずられるように連れて行かれた広哉は、興奮したまま口を開いていた。

「え? なに? いい感じなの?」

雅人は足を止めず、低い声で返す。

「おまえ、頼むから余計なことだけはするなよ」

広哉はきょとんとする。

「え?」

「そんで、誰にも言うなよ」

いつになく真剣な声だった。

広哉は思わず姿勢を正す。

「……でも、あの子、誰が誘っても一回も乗らないって有名だよ?」

雅人がぴたりと足を止める。

「え? 知ってんの?」

「いや、だから、お前が話してるから友達なのかと思って……」

雅人は深くため息をついた。

そして広哉のほうを振り返る。

「お前も知っての通り、たった今名前知ったばっかりだから」

少し間を置いて、念を押すように言う。

「マジで余計なことすんなよ」

その迫力に、広哉はさすがに少し怯んだ。

「わかったって。でも、何かできることがあれば……」

「ない」

即答だった。

広哉は口をへの字に曲げる。

「なんだよ…」

雅人はそれには答えず、前を向いて歩き出す。

けれどその耳だけが、少し赤かった。
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