真昼の星空
冬の長い休みに入ろうとしていた。

あれから陽は、たったひとつの言葉だけで生きていた。

――ようちゃん。

まさとくん。知りたかった名前を知れた。

名前を呼んでもらえた。

それだけで胸が満たされ、何日も夢見心地でいられた。

もうすぐ冬休みに入る。
しばらく彼を見かけることもなくなる。

そんな当たり前のことに、陽はまだ気づいていなかった。


雅人は、あれから陽と一度も遭遇できていなかった。

講義棟の前。
駅までの坂道。
朝のホーム。
いつもの時間の電車。

どこにもいない。

連絡先も知らない。
学部も知らない。
会おうと思っても、会えない。

そのことが、思っていた以上に焦りを生んでいた。

「どうして会えないんだろう」

誰にも聞こえない声でつぶやきながら、雅人は今日も無意識に人混みの中へ視線を走らせる。

どこにいても、陽を探していた。
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