真昼の星空
冬休みに入ると、陽の両親は揃って旅行へ出かけた。

静かになった家に、一人分の生活音だけが残る。

陽は朝起きて、課題のレポートを進め、煮詰まれば近所へ買い物に出る。
帰れば毛糸を膝に乗せ、黙々と針を動かした。

窓の外では、冬の日差しが短く傾いていく。

穏やかな時間のはずなのに、胸の奥だけが落ち着かなかった。

これが恋煩いというやつなのかもしれない。

食欲も湧かず、好きだった甘いものも手が伸びない。
食卓に座っても、箸が進まないまま冷めていく。

気づけば、ため息ばかりついていた。

年の瀬も差し迫ったある日、陽はとうとう体調を崩した。

熱っぽい身体を引きずって布団へ入り、誰もいない家の天井をぼんやり見つめる。

時計の針の音だけがやけに大きい。

薬を飲んでも、眠っても、すっきりしない。

そのまま陽は、一人きりの家で年末年始を迎えた。

テレビの向こうでは賑やかな笑い声。
除夜の鐘。
新年を祝う明るい声。

どれも遠い世界の出来事みたいだった。

陽が考えるのは、雅人のことばかりだった。

今、誰といるんだろう。
どこで、何をしているんだろう。

笑っているのかな。
誰かと初詣に行ったりするのかな。

熱に浮かされた頭でそんなことばかり考えて、胸の奥がじくじく痛んだ。
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