真昼の星空
「で、次は?」
と圭祐

広哉がすぐ雅人を見る。

「まて、雅人お前ほんとに大丈夫?」

冗談じゃない、本気の顔だった。

雅人は笑いながら答える。

「大丈夫だよ。」

陽が静かに話し始める。

「あのね、私、さっき嫌われようとして過去の恋愛の話最初にまさくんに話したっていったでしょ?」


「でもね、話しながら、まさくんもこの10年にあった恋愛の話してきたらどうしようって。思ってたの。」

少し視線を落とす。

「勝手なんだけど、ほんとに勝手なんだけど、私ちゃんと最後まで聞けるかなって。」

小さく笑う。

「泣いちゃったらどうしようって。」

旬が黙って下を向く。
目が赤い。

雅人が静かに言う。

「俺はようちゃんだけだから。」

陽がすぐ言う。

「すぐこれ言う。」

少し笑う。

「でも、嘘でもいいの。」

優しい声になる。

「多分私耐えられないのまさくん分かってるから。言わないでいてくれるの。」

雅人が笑う。

「ほんとだから」

旬が下を向いたまま涙を拭いている。

圭祐が言う。

「旬おまえくらってんじゃねーよ。何泣いてんだよ。2回目だろ?」

笑いながら、自分も目元を触る。

陽がグラスを見る。

「じゃあ、皆さんのグラスが空になったら続き、お話します」

雅人と目を合わせる。

二人で笑う。

その瞬間、広哉がスマホを構える。

小さくシャッター音。

陽が旬を見る。

「旬?次のワインどれがいい?」

希が立ち上がる。

「美味しいチーズあるんだった!」

美海も続く。

「まって、私ぶどうと生ハム持ってきた!」

女性達がキッチンへ向かう。
食器の音、水の音が聞こえる。

残った男性陣が雅人を見る。

圭祐が身を乗り出す。

「ほんっとに何も無いの?」

雅人が即答する。

「ないよ。」

圭祐がさらに聞く。

「キスも?」

雅人首を振る。

「ない。手繋ぐのも10年振り」

広哉が目を見開く。

「うそだろ?」

雅人笑う。

「ほんとだよ」

凌が静かに聞く。

「ずっと好きだったの?」

雅人は迷いなく答える。

「うん。」

少し間。

「もう途中で諦めた。」

グラスの中を見る。

「どこにいたって、誰といたって、何してたって、俺はようちゃんしか求めてないから。」

静かに続ける。

「もうこのまま好きでいた方が忘れるよりよっぽど楽だって。」

旬がまた黙って涙を拭く。

圭祐が笑う。

「旬はこのタイプだな。希のこと好きすぎて迷走してる」

「わかる!」と声が重なる。

笑いが起きる。

広哉が静かに言う。

「でもさ、愛した女とずっと一緒にいられた俺ら幸せだな。」

少し遠くを見る。

「雅人と陽の離れてた10年なんて想像出来ないよ。」

雅人が答える。

「世界中の綺麗な景色、全部ようちゃん重ねてたから。」

静かに言う。

「いつもどこでも一緒って思って。」

少し笑う。

「この離れてる時間絶対無駄にしないって思ってた。」

キッチンから戻ってきた美海が聞いている。

そして言う。

「そうよー!みんな奥さん死ぬまで大事にしろよ!」

広哉が苦笑する。

「やばい美海が酔っ払ってきちゃった」

圭祐が頭を抱える。

「最後までもつかな、絶対聞きたいのに」
< 69 / 78 >

この作品をシェア

pagetop