気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
「そうなんですか?」
「うん」
柊弥さんはコーヒーを飲みながら、何でもないことのように頷く。
「食堂とかキャンパスで一緒になることあるじゃん。その時にね」
「なるほど…」
言われてみれば、柊弥さんとは学食へ行くこともあれば、帰る時間が重なることもある。
その姿を見ている人は意外と多いのかもしれない。
「『彼女?』って聞かれることもあるし」
「……え!?」
今度こそ固まった。
「違う違う」
柊弥さんは慌てて笑う。
「もちろん、違うって答えてるよ」
「びっくりしました……」
心臓に悪い。
「でもね」
柊弥さんは少しだけ真面目な顔になった。
「茉桜って素直だから」
「え?」
「笑顔も分かりやすいし、話しやすいし。後輩として可愛いなって思うよ」
その一言に、少しだけ照れくさくなる。
「だから変な人に引っ掛かるなよ?」
「……子どもじゃないですよ」
「いや、結構心配」
「そんなにですか?」
「うん」
さらっと言われてしまった。