気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
「柊弥さんと想くんは?」
「柊弥はお風呂。想は2階で友達と学祭の打ち合わせしてる」
「想くんが家に友達を連れてくるなんて珍しいですね」
「ね。逸晟くんくらいじゃない?」
そう言われて思い返す。
私がこの家に住み始めて半年。
想くんの友達が家に来たのは、逸晟くんくらいだ。
普段は大学で話して、そのまま解散しているイメージだから、家まで来るなんて珍しい。
夕食を食べ終えた頃、階段を下りてくる足音が聞こえた。
「あ! 茉桜ちゃん!」
「えっと……逸晟くん!」
「正解〜!」
変わらない明るい笑顔。
その隣では、想くんが少し呆れたような顔をしている。
「相変わらず逸晟はうるさいな」
「褒め言葉?」
「違う」
「希遥さん、お久しぶりっす!」
「逸晟くんも元気そうじゃん!」
どうやら逸晟くんと希遥さんも顔見知りらしい。
想くんがこの家に連れてくる唯一の友達だから、何度か顔を合わせているそうだ。