気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
ゴールから出ると、眩しいくらいの明るさに思わず目を細めた。
「茉桜!」
奈瑠が茉桜の元に駆け寄ってくる。
「もう!心配したんだから!」
「ごめん……」
「ほんと方向音痴なんだから」
「そんなつもりじゃ……」
「ある意味才能だよね」
逸晟が笑う。
「いやー、想が迎えに行ってくれて助かったわ」
「別に」
でも、その横顔はさっきより少しだけ力が抜けていた。
無事に出てきたことに、少し安心したんだろう。
「じゃ!」
逸晟がパンッと手を叩く。
「俺ら今から休憩なんだよ!」
「そうなんですか?」
「交代制だからね。せっかくだし一緒に学祭回ろうよ!」
「え!」
「いいんですか?」
「もちろん!」
「想も行くよね?」
「……は?」
「行くよね?」
「なんで俺まで」
「せっかくじゃん!」
「面倒」
「はい決定!」
「人の話聞け」
みんなが笑う。
そのまま歩き出そうとした、その時だった。