気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
6.冬空に、願う。
初雪
12月。
朝、カーテンを開けると白い息がこぼれた。
数週間前まで色づいていた木々も、すっかり葉を落としている。
吐く息は白く、朝の空気は冷たい。
冬が来た。
夏はあんなに賑やかだった桜ノ木ハウスも、最近は少しだけ静かだ。
講義はもちろんあるけれど、みんなそれぞれやることが増えてきた。
柊弥さんは卒業論文と司法試験の勉強。
希遥さんは作品制作の追い込み。
想くんは毎日のように模型や設計課題。
私は教育実習へ向けたレポートや模擬授業の準備。
リビングで顔を合わせる時間は変わらないのに、不思議と前よりみんな忙しそうだった。
「さむ……」
リビングへ下りると、一番最初に目に入ったのは、大きなこたつだった。
その中には。
「……出られない」
毛布にぐるぐる巻きになった希遥さん。
「おはようございます」
「おはよぉ……」
返事だけして、またこたつへ潜っていく。
「まだ朝ですよ?」
「朝だから寒いの」
「それはそうですけど」
思わず笑ってしまう。
夏は誰より元気だったのに、冬になると希遥さんは別人みたいだった。