気付けば、隣にいた  - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -


「これで、5班の発表を終わります」


何とか、発表を終えることができた。

本調子じゃないことに気付いていた奈瑠や瑠斗、侑雅が、私の担当だった部分まで自然にフォローしてくれた。

講義が終わると、私は思わず机に突っ伏す。


「みんな、ありがとう……」

「無理しすぎ」


奈瑠が心配そうに私の顔を覗き込む。


「なんか顔赤くない?」

「大丈夫か?」


瑠斗と侑雅も心配そうに声をかけてくれる。


「うん……。ちょっと保健室で休んでこようかな」

「私も行く」


奈瑠は迷うことなく立ち上がった。


保健室へ着くと、先生がすぐに体温計を渡してくれる。

ピピッ、と電子音が鳴った。

先生は表示を見て、少し驚いたように目を丸くした。


「真田さん、今日はよく頑張ったね」

「……え?」

「38.9℃。高熱です」


思わず体温計を見つめる。


「あれ……朝はそんなになかったのに」

「無理して動いたからかもしれないね」


先生は優しい口調で続けた。


「実家暮らし?」

「いえ、一人じゃなくて……シェアハウスで暮らしています」

「そうなの。迎えに来てもらえそう?」


私は少し考えてから首を横に振った。


「なんとか帰ります」


すると、隣にいた奈瑠がすぐに口を開く。


「私が送ります」

「奈瑠……」

「1人じゃ無理でしょ」


先生も安心したように頷いた。


「それならお願いしようかな。真田さん、今日は帰ったらしっかり休んでね」

「はい……ありがとうございます」

「お大事に」



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