気付けば、隣にいた  - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -


「座って」


想くんに言われるまま、私はリビングのソファへ腰を下ろした。

頭がぼんやりして、体にうまく力が入らない。

想くんはそのままキッチンへ向かい、冷蔵庫を開ける。

しばらくして、冷たい水の入ったコップを持って戻ってきた。


「はい」

「……ありがとう」


ゆっくりと水を口に含む。

乾いていた喉に冷たさが染み渡って、少しだけ息がつけた。

想くんはその様子を見届けると、小さく息をつく。


「部屋戻れる?」

「……多分」


答えながら立ち上がろうとする。

でも、足に力が入らず、またソファへ座り込んでしまった。


「ほら」


呆れたような声。


「だから無理だって」

「……ごめん」

「謝る前に呼べ」


その一言に、私は少しだけ目を丸くした。


「夜中だったし……」

「起こせばいい」


想くんはそれだけ言うと、テーブルの上に置いてあった体温計へ手を伸ばした。


「もう1回測って」


私は言われるまま体温計を受け取る。

しばらくして電子音が鳴る。

表示された数字を見た想くんは、眉をひそめた。

39.8℃。


「……上がってる」


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