気付けば、隣にいた  - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -

にぎやかな夜



12月30日。

今年も残すところ、あと2日。

年末の街はどこか慌ただしく、スーパーの袋を両手に持った人や、大掃除用品を買い込む人たちで賑わっていた。

そんな中、桜ノ木ハウスのリビングでは――。


「はい、決定!」


希遥さんが勢いよく手を叩く。


「なんだよ急に」

「今年はクリスマス当日に誰も集まれなかったから!」

「今日やります!」

「クリスマス忘年会!」

「おー!」


私も思わず拍手をする。

12月はみんな本当に忙しかった。

柊弥さんは卒論と就職準備。

希遥さんは作品制作。

想くんは模型と課題。

私は教育実習へ向けたレポートや発表、それから高熱の風邪。

結局、クリスマスはそれぞれが帰宅する時間もバラバラで、「メリークリスマス」と言葉を交わしただけで終わってしまった。


「だから今日は全部まとめる!」


希遥さんは胸を張る。


「クリスマスも!忘年会も!お疲れ様会も!」

「欲張りだな」


ソファで新聞を読んでいた柊弥さんが笑う。


「だって1回で済むじゃん!」

「合理的ですね」

「でしょ?」


得意げな希遥さんを見て、みんなが笑う。


「料理どうする?」


私が聞くと、希遥さんは待ってましたと言わんばかりに一枚のメモを広げた。


「今日は豪華だよ〜!」


ピザ。

ローストチキン。

ポテト。

サラダ。

ケーキ。

そして、プレゼント交換。


「プレゼント交換!?」


思わず声が大きくなる。


「もちろん!」

「え、聞いてないです!」

「今言った!というか今思いついた!」

「今から買うの!?」

「うん!」


希遥さんは満面の笑みで親指を立てた。


「予算3,000円!」


リビングが、一気に賑やかになる。

今年最後の、大イベントが始まろうとしていた。


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