気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
「せーので開けよう!」
「「せーの!」」
包装紙を開く音がリビングに重なる。
「わぁ……!」
私の袋から出てきたのは、淡いベージュ色のブランケットと、優しい香りのハーブティー、それから小さな焼き菓子だった。
「かわいい……!」
思わず頬が緩む。
一方で、想くんは袋の中からタンブラーを取り出して眺めている。
「……」
無言。
「反応薄っ!」
希遥さんが思わず笑う。
「気に入らなかった?」
「いや」
想くんは小さく首を振る。
「使う」
その一言だけ。
でも、なんとなく気に入ってくれたことは伝わってきた。
「よかったぁ」
私はほっと胸をなで下ろす。
「じゃあ誰が誰?」
希遥さんが身を乗り出す。
「俺から」
柊弥さんがUSB加湿器を見ながら笑う。
「これ、想?」
「違う」
「私!」
希遥さんが勢いよく手を挙げる。
「誰でも使えると思って!」
「なるほどね。ありがとう」
「やったー!」
「じゃあ、このタンブラーは……」
想くんが手元を見ながら聞く。
「……私」
少し照れながら答える。
「学校でも家でも使えそうだなって思って」
想くんは一度タンブラーを見て、
「ありがと」
と短く言った。
それだけだった。
それだけなのに。
その一言が、なんだか少し嬉しかった。
「じゃあこのブランケットは?」
私は膝に掛けながら尋ねる。
「俺」
想くんが答える。
「え?」
思わず想くんを見る。
「風邪ひいてた人いたし」
「ちょうど風邪ひいてた人が引いたじゃん」
「風邪ひかれたら困る」
さらっと言われた言葉に、思わず目を丸くする。
「あ……ありがとう」
想くんは照れた様子もなく、
「冬だし」
とだけ付け加えた。