気付けば、隣にいた  - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -

静かな朝[So side]



家の空気が少し違う。

リビングの雰囲気も。

キッチンの物音も。

全部少しだけ変わった。


うちに新たな同居人がやってきた。

どうやら俺と同じ大学の2年生らしい。

同居人が増えるって柊弥から聞いた時、なんかそんなことを言っていた気がする。


第一印象は、危なっかしいやつ。

ピザを食べていれは、袖が皿につきそうになる。

荷物を持って階段を上がれば、足元も見えなくなる。

見ていてこっちがヒヤヒヤした。

そのくせ。

ずっと笑っていた。

柊弥にも。

初対面の希遥と俺にも。

愛想が良いんだろう。


でも、なんとなく無理しているようにも見えた。

そんな無理しなくてもいいのに。

いや、別に俺には関係ないか。


希遥はすぐ仲良くなっていた。

柊弥も楽しそうだった。


まあ。

あの2人ならそうなるか。


俺は部屋のベッドに寝転がる。

静かになると思った。

でも。

隣から時々聞こえる物音。

段ボールを動かす音。

何かを落とした音。


「……うるさい」


そう呟いて目を閉じる。

結局眠ったのはいつもより少し遅かった。


< 18 / 196 >

この作品をシェア

pagetop