気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
……でも。
昨日の夜。
荷物を片付ける音が結構遅くまでしていた。
ちゃんと寝れたんだろうか。
「……寝れた?」
気付けば聞いていた。
自分でも少し驚く。
「え?」
「眠れたかって聞いてんの」
「あ、うん。ちょっと早起きしちゃったけど」
「あっそ」
それ以上は何も言わない。
言う必要もない。
コーヒーを一口飲む。
すると。
「苦くないの?」
今度は向こう。
「お前の飲み物の方が甘すぎ」
「まだ何も飲んでないけど」
昨日の歓迎会の時。
炭酸もジュースも甘そうなやつばかり飲んでいた気がする。
「なんとなく」
そう言うと、少し不満そうな顔をした。
朝から表情が忙しいやつだな。
そう思いながら、コーヒーカップを洗う。
後ろから聞こえてくるのは、
トースターの音と、小さな鼻歌。
静かな朝のはずなのに。
昨日までより、少しだけ賑やかに感じた。
うるさい。
そう思いながら、
嫌な気はしなかった。