気付けば、隣にいた  - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -


「なに、知り合い?」


逸晟が聞く。


「何が?」

「今の子」

「あぁ、違う」

「でも見てた」

「見てない」

「いや絶対見てたって」

「見てねー」


逸晟がニヤニヤしている。

何がそんなに面白いんだ。

その時。


「西澤くん!」


後ろから声を掛けられた。

振り返ると、同じ建築学科の女子が2人。


「やっと見つけた!」

「この前の製図課題、ちょっと聞いていい?」


ノートを見せられる。


「あー……、ここ」


俺が指を差すと、


「あ!そういうことか!」

「ありがとう!」


2人は顔を見合わせて笑った。


「西澤くんって説明分かりやすいよね」

「そう?」

「そう!」

「前も教えてくれたし」

「優しいし」

「……別に」


そう返すと、


「ほらまたそういうとこ!」


と笑われる。

すると1人が少しだけ言いにくそうに口を開いた。


「あのさ?」

「ん?」

「今度、みんなでご飯行かない?」

「サークルの子たちも来るし」

「西澤くんもどうかなって」


俺は少し考える。

……いや。

考えてないか。


「ごめん」

「えー!」


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