気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
講義が終わって、夕方。
「明日休みかぁ」
「逸晟はバイト?」
「うん、想は?」
「早朝から午前中はバイト」
「お互い頑張ろうぜ〜」
帰る前に駅前のスーパーで牛乳を買う。
うちのグループ連絡にも入っていたもの、【卵、食パン2つ、マーガリン、きゅうり、にんじん、ジャガイモ、豚肉、醤油、ヨーグルト】も買って帰る。
ついでにコーヒー豆も。
土日は3人でご飯を用意して食べることが多い。
明日からは4人だけど。
カゴを持ってレジに並んでいる時。
――そういえば。
朝。
トースターの前で、
「あ、焦げた!」
って騒いでたな。
思い出して、少し眉をひそめる。
本当にうるさい。
あんな調子でちゃんと生活できるんだろうか。
……別に。
どうでもいいけど。
会計を済ませて店を出る。
夕方の風が少し冷たい。
桜ノ木ハウスまでは歩いて10分くらい。
前までは、帰れば柊弥がいるか、希遥が寝てるか、誰もいないか。
そんな感じだった。
最近の希遥は課題で忙しいし。
柊弥も就活やらゼミやらで家にいないことが増えた。
だから最近は、家に帰っても静かなことの方が多い。
……静かな方が好きなんだけどな。
そう思いながら、家の前まで来る。
玄関の灯りがついていた。
誰かいる。