気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
「……ただいま」
靴を脱ぎ、リビングへ向かう。
すると。
「うわぁぁぁぁ!!!」
突然悲鳴が聞こえた。
多分2階からだと思う。
何事だ?
慌てて2階へ向かうと、2階の共有テラスの扉が開いている。
覗いてみると…
床に散らばる紙。
倒れた椅子。
そして。
「あっ……」
真ん中で固まっている茉桜。
「…………」
「…………」
目が合う。
数秒の沈黙。
「…おかえり〜、想くん」
苦笑いする茉桜。
「…なにしてんの?」
「本棚組み立ててたら……、この通り…」
見ると、組み立て途中の棚が見事に崩壊していた。
袋の中に何故か余っているネジが見える。
それに、説明書が近くに見当たらない。
というか。
「順番違う」
「え?」
「ここ」
「え?」
「まずここつけないと始まんないだろ」
「ん?」
「…はぁ、だから」
思わずため息が出る。
「貸して」
「え、できるの?」
「建築」
「建築って家具作れるの!?」
「作れない」
「じゃあなんでそんな自信満々なの!」
「普通こんなの説明書読めば作れるようになってんの」
「想くん凄い!」
うるさい。
本当にうるさい。