気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
掃除を終えて、夕飯を食べて、お風呂も済ませて。
気付けば夜9時。
リビングでは、希遥さんがテレビをつけていた。
「今日これの日じゃん!」
「なにそれ?」
「バラエティ!」
「茉桜ちゃん、知らないの!?」
希遥さんが驚いた顔をする。
「普段テレビあんまり見なくて…。映画とかドラマとかなら見るんですけど」
「人生損してる」
「想に言われたくない!」
ソファの端でコーヒーを飲んでいる想くん。
「俺は別に損してない」
「してる!」
「してない」
「してる!」
また始まった。
柊弥さんが苦笑いする。
「2人、毎日喧嘩してない?」
「してません!」
「してない」
声が揃う。
「仲良いじゃん」
「違います!」
「違う」
また揃う。
希遥さん、お腹抱えて笑ってる。
私たちは目を合わせる。
と言っても、お互い目つきは悪い。
番組では、芸人さんが無茶なチャレンジをしていた。
「えぇー!絶対無理じゃん!」
「落ちる落ちる!」
「ほらー!!」
茉桜、大爆笑。
希遥も爆笑。
柊弥も笑ってる。
想だけ、腕を組んだまま。
「どこが面白いんだ」
「えぇ!?」
「面白いじゃん!」
「予想通り」
「夢がない!」