気付けば、隣にいた  - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -



「誰!わたしのプリン食べたの!!!!」


希遥さんの声が、桜ノ木ハウス中に響き渡る。

圧が凄すぎて、思わず一歩下がった。

食べ物の恨みは恐ろしい。


「俺じゃない」


想くん、即答。


「いや早くない!?」

「食ってないし」

「でも想、甘いもの嫌いとか言いながらたまに食べるじゃん!」

「甘いもの全部嫌いなわけじゃない」

「じゃあプリンも食べるじゃん!」


想くんはため息をつく。


「……証拠は?」

「え?」

「俺が食べた証拠」

「……ない」

「じゃあ俺じゃない」


一切表情の変わらない想くん。

強い。


「茉桜ちゃんは!?」

「えっ!?」


突然矛先が私に向く。


「わ、私じゃないです!!」

「ほんと?」

「ほんとです!」

「プリン好き?」

「はい!好きです」

「怪しい」

「なんで!?」


好きだけど人のプリンはさすがに勝手に食べない。


「名前書いてありました?」

「……書いてない」

「じゃあ共有…」

「違う!!!」

「えぇ!?」


希遥さん、さすがに涙目。


「昨日楽しみに買ってきたの!」

「今日食べようと思って!」

「バイト頑張ったご褒美だったのに…」


それを聞くと、なんだか私まで悲しくなってくる。

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