気付けば、隣にいた  - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -


「ここは共有スペースのリビングね。いつでも使っていいけど、この区画は建築学科のやつが模型作ったりすするのに使うから気をつけて」

「……」

「茉桜?」


気づけば、柊弥さんが不思議そうに私を見ていた。


「聞いてた?」

「……へ?」

「ぼーっとしてる」

「あ、ごめんなさい」

「疲れちゃった?」

「いや、全然!」


笑うと、先輩も優しく笑う。

やっぱり、安心する。


「ここはリビングで、共有スペースね」

「はい」

「テラス前のこの区画は建築学科の子が課題で模型作ったりすることが多いから通る時は気をつけてね」

「建築学科の人いるんですね」

「うん、茉桜と同い年のやつだよ。帰ってきたら紹介するね」

「ありがとうございます」

「ちなみにもう1人デザイン学科のやつもいるよ」

「みんなうちの大学ですか?」

「うん、キャンパスも一緒だよ」

「会うのが楽しみ!」

「よし、じゃあ次は洗面所と風呂ね。洗濯機は共用だけど干すのは各自自分の部屋か部屋のベランダね」


今まで住んでいた部屋よりもどこもかしこもうんと広い。

洗面所なんて2つもボウルがあって有難い。

なんか、シェアハウス、って感じがする。


「キッチンも共有スペースね。ルールはまたあとで全員集まったら説明するよ」

「はい」

「ルールにうるさいやつがいるから気をつけてね」

「デザイン学科の方ですか?」

「ううん、建築のやつ。ちょっと気難しいけど、悪いやつじゃないから」


デザイン学科と建築学科の方。

どんな人なんだろう…。


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