気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
洗濯機の残り時間。
【12分】
「想くんって洗濯好きなの?」
「普通」
「好きそう」
「なんで」
「なんか、想くんって几帳面だから」
そう言うと、想くんは少し嫌そうな顔をした。
「好きじゃない」
「じゃあ嫌い?」
「別に」
「どっちなの」
「やらないと気持ち悪いだけ」
気持ち悪い。
その言い方が、なんだか想くんらしい。
そういいつつも洗濯機の上には、きっちり畳まれたタオル。
洗剤も柔軟剤も、ラベルが前を向くように並んでいる。
すごい。
私の部屋なんて、教科書積んであるし、髪ゴムはそこら辺に転がってるし…。
……。
こんなの想くんに見られたら、いろいろ言われるんだろうな…。
「お前さ」
想くんが、私の持っている洗濯かごを見る。
「白と色物、一緒に洗うタイプ?」
「え」
「……まさか」
「えへへ」
「最悪」
めちゃくちゃ嫌そうな顔された。
「なんで!?」
「色移りするだろ」
「今までしたことないよ」
「運がいいだけ」
「えー」
「あと、ネット入れろ」
「え?」
「パーカーの紐、そのまま洗ったら絡まる」
「あっ」
昨日、まさに絡まった。
「……なんで知ってるの」
「普通」
「普通じゃないよ!」
想くんは呆れたようにため息をつく。
でも。
「ほら」
と、洗濯ネットを1枚投げてきた。
「使え」
「え、いいの?」
「返せよ」
「洗って?」
「当たり前だろ」
厳しい。
けど、優しい。
私はパーカーをネットに入れながら、ふと思う。
この人、案外面倒見がいいのかもしれない。
「想くんって、お兄ちゃんっぽいよね」
「は?」
想くんが、今までで一番嫌そうな顔をした。