気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
「茉桜ちゃん、雨止むまでずっとここにいるの?」
「んー……悩んでます」
「じゃあ3人でコンビニ行こ!」
「傘買えよ」
「え〜」
逸晟くん、この人は本当に人との距離が近い。
初対面なのに、もうずっと前から知り合いだったみたいな話し方をする。
明るい逸晟くんと、いつも通りの想くん。
正反対なのに、不思議と息は合っていた。
「茉桜ちゃん何飲む?」
コンビニのドリンクコーナーで立ち止まる。
「んー……いちごミルクにしようかな」
「じゃあ俺買ってあげる!」
「え?」
「仲良くなろうね〜、ってことで」
「いいんですか?」
「あと、これから想をよろしくねって意味も込めて」
「いらないんだけど」
想くんが即座に言う。
「なんでだよ」
「別によろしくされることないし」
「想、こんな可愛い子が同じ家にいるんだから、もうちょっと感謝しろよ?」
「知らね」
「ひどっ」
思わず笑ってしまう。
本当にこの2人、面白い。
それにしても。
「想くんって、家だけじゃないんだね」
「あ?」
「無愛想なの」
「うるさい」
「大学だともっと違う感じなのかと思ってた」
「どんな感じだよ」
「真面目な建築学生とか」
「意味分かんない」